総合課題「Multi Contents Cube」(「Contents = Viewpoints」)
- 本講義で触れた画像イメージ編集技術(デジタルカメラとスキャナの利用・Photoshopによる写真加工とIllustratorによるレイアウト)を最大限活用して、下記の条件に従ってイメージキューブを制作しなさい。
- 本課題は、イメージの組み合わせによるコンテンツを作成する課題です。
動画表現のアウトラインとなる絵コンテや、画像合成(コラージュ)の文脈の基礎も、基本的にイメージの組み合わせにより成立しています。イメージの組み合わせは、ひとつひとつの画像(記号)の連続した出現(反復)により、ある全体としての意味を生成し、私たちはその過程に意味を認識します。このような認識過程を「記号活動」と呼び、この考え方を「記号論」といいます。
- 今回の課題では、ある事象や言葉などをイメージの組み合わせによって表現し、視覚的なコミュニケーションを図ることが目的とされ、「素材からの情報抽出力」や「言葉からのイメージ力」と、視覚言語(今回使用されるイメージ)の選択、および組み合わせによる総合力が問われる課題です。
最終的な制作物は、1辺90mmの立方体の各面に異なるイメージ(写真画像、トレースイメージ、スキャニングイメージetc.)が貼り込まれたイメージキューブとなります。ただし、貼り込まれる各イメージは、隣接した3面(頂点)を1コンテンツとして最低3コンテンツの内容を表現したイメージ展開を条件とします。
参考
範列と連辞
記号活動の規則をソシュールは「範列(はんれつ)」と「連辞(れんじ)」として提示しています。
- 範列(パラディグム/paradigme)→
ひとつのパロールが実現する時、記号の現働化を規定している記号間の「連合関係」
- 連辞(サンタグム/syntagme)→
ひとつの記号の実現に続く記号の反復の系列を指定している「結合関係」
ex. 蝶は花を愛する
蝶は→虫、蜂、人などに交換可能な行為主となりうる記号に基づいた範列関係を持つ
S+O+Vの結合規則において連辞関係を持つ
- 西洋料理→「前菜+主品+デザート+コーヒー」という連辞構造と各品の範列関係で成立している
- 服装→「帽子+上着+ズボン+靴下+靴」という連辞構造と各アイテムの範列関係
- 都市→「通路+区画+ランドマーク+境界」という連辞構造を持つ
コンテンツとして成立可能な項目(参考)
- ある状況や状態を表す言葉
- 時間軸に沿って現れる事象
- デザイン要素(色・形)
- 価値観(客観的な指標ではかれる価値観 ex.価格)
- 材質
サンプルの選択について
- 自分の所有物であること
- 3つは大学に持参できる現物とする。(デジタルカメラで撮影しサンプルとする)
- 3つは印刷物の中にあるモノとする。(スキャナを用いてサンプルとする)
サンプルから、連想されるキーワードに関して
- 客観的・一般的に連想できること
(主観的なものは×)
(イメージから連想するのに、専門的な知識を有するモノは×)
本日の課題1
- 1辺90mmの立方体の展開図を描きなさい
(最終的に、厚紙に印刷して、箱を作るので、「のりしろ」も描くこと)
イラストレータのファイルは、A3横で作ること。
本日の課題2
- 以下のシミュレータを用いながら、サンプルを頭に思い浮かべ、
右に示す項目を参考にテキストレベルで、サンプルの検討をすること。
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A
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C
D
E
F
G
H
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1
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a |
b |
c |
d |
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2
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b |
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f |
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3
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a |
d |
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4
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c |
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g |
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5
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6
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f |
g |
h |
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本日の宿題
- 次週、デジタルカメラによる撮影、および、スキャナを用いた画像の取り込みを行い、どのような完成になるのかをシミュレーションしてみて、内容の検討を行います。
サンプルの選択に関する解説を理解した上で、現物3点・印刷物3点を持参すること。
(次週、チェックの上、再サンプルの指示を出します。)
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