記録映像、および、生理指標データビューア
本ツールは、生理指標データを研究対象とする際に、以下の2点の問題があると考え、これらのデータをいかにして処理するかを目的に制作されたものである。
本研究を始め、実験を行った記録として「映像による記録」を行うことが多々ある。また、生理指標計測の場においては、被験者の状態や、提示した刺激などが映像等の時系列的なものであることもあり、実験後、それらの映像と生理指標を示す波形データを同期的にチェックする必要がある。本ツールは、そういったシチュエーションを見越して作られた「記録映像、および、生理指標データビューア」である。
本ツールの画面は、[図09]のような画面構成であり、画面上には、2つの映像用枠が、画面中央には、生理指標の波形データ表示枠が配置されている。まず、データ読み込みを「読込み」ボタンをおして、.csv形式のファイルを読み込む(読み込みデータの形式に関しては、後述する)。すると、[図10]のような画面になり、データの読み込み、グラフ描画、データ解析が、自動で行われる。
グラフ描画後、映像の読み込みを「リンク」ボタンで行う。映像は、320×240のサイズにしておく必要があり、使用可能な映像のフォーマットは、.mov形式と、.avi形式の二つである。映像を読み込むと、[図11]のような画面になり、画面左下のボタン群で、映像の再生(2倍速巻き戻し、一時停止、通常再生、2倍速再生、4倍速再生、が可能)を行うことで、生理指標の波形データと映像の同期によるチェックが可能となる。
なお、映像に関しては、一つ目に読み込んだ映像を基準にして、2つ目の映像が同期するようになっている。(例え2つの映像の長さが異なっていても、1つ目の映像が3割の地点にある場合には、2つ目の映像も3割の地点を再生するということである。)これは、2つの映像が異なる環境で記録された映像の場合、コマ数が異なるなどの問題がおこってしまうことに対する配慮である。この問題に対して、映像の最初と最後を、実験開始と終了に両映像できっちりあわせておけば、映像に関するズレを無くすことが可能になるからである。
また、通常の波形解析にて使用されることの多い「移動平均値」をもとめグラフ化する機能を有し、時系列的な波形の確認の効率化を図っている。