札幌市立大学 ごあいさつ | E-KANGO | E-KURASHI | 組織 | 報告書

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はじめに

 E-KANGO(遠隔看護システム)研究チームは、在宅看護学専門とデザイン学専門の研究者による異分野融合チームです。
 広域積雪地域である北海道では、厳しい自然環境に加えて乏しい公共交通システム、訪問看護事業所(病院)や行政機関(保健福祉センターなど)と在宅療養者・外来患者の間の遠距離等の課題があり、これらが都市部と同じような医療サービスの授受を困難にしている現実を緩和すべく2009年からICTを活用した検証研究を重ねて参りました。その過程で、大切にしてきたことは

  1. 一般的に汎用化しているICT機器を用いること
  2. PC使用経験がなくても利用できること
  3. プログラム内容は在宅療養者、訪問看護師、地域連携看護師、保健師(行政)がサービス提供に必要な項目を反映していること、等です。

    最終目的は
  1. 地域で療養している人が可能な限り望む地で療養継続できること
  2. 急変時には迅速な対応できること
  3. 療養者を中心にケアに関わる人たちが連携する為の情報共有のツールとなること
  4. 訪問看護や保健師訪問に取って代わるのではなく、補完する役割を担うこと

    です。 4年目にはE-KANGOの基本モデルはほぼ完成したと考えています(特許申請済)。

 2013年度には、遠隔地のみならず都市部の集合住宅において高齢者の孤立が進んでいる現実に対応すべくE-KANGOをベースにした【比較的自立して生活している人の健康予防・管理】を目的としたE-KURASHIシステムの構築に着手しました。このプロジェクトは民間企業3社の参加協力を得て、クラウドコンピューティングによるより確かなデータ・情報保護・管理と携帯可能な端末へのプログラムの搭載を行い、検証を行い良好な結果を得ました。現在は民間企業と共に製品化に向けて検討をしているところです。
 また、2013年にはサービス付き高齢者住宅をフィールドにE-KANGOを用いて検証を行い、バイタルサインのデータを自動送信する実験も行い、手などに障がいがある方でも健康状態把握に必須なデータを自動的に送信可能であることを確認しました。
研究者として【ICTを用いた地域療養者支援、健康課題の予防・早期発見に向けたツール開発研究】を継続して参る所存ですが、同時に民間企業と共にE-KANGO/E-KURASHIの製品開発に協力をして参ります。

 なお、2009年から研究のフィールドを提供して下さり、継続支援を頂いている枝幸町を始め札幌市内琴似地域の皆様、北海道訪問看護ステーション連絡協議会等の多くの皆様の支援があり、現時点でのアウトカムを得ることが出来ました。

    研究代表者:
  札幌市立大学 看護学部 教授
  スーディ神崎 和代
     
    札幌市立大学 看護学部
     菊地 ひろみ
     
    札幌市立大学 デザイン学部
     福田 大年
     柿山 浩一郎
     
    旭川医科大学医学部 看護学科
     照井 レナ
     
    北海道医療大学 看護福祉学研究科
     鹿内 あずさ
     
    企業
     AVCテクノロジー株式会社
     株式会社 コーポレーション・ミヤ
     日本マイクロソフト株式会社