展覧会の楽しみ方

　ANBD 2010 横浜展に出展されているのは、韓国、中国、台湾、日本それぞれの作家の作品ですが、展示は、国ごとに分けてありません。また、作品の形体はすべてデジタル画像化された平面パネルで、表現の内容はPCツールで制作された作品・写真・絵画・立体・建築などさまざまですが、こうした表現のカテゴリーで作品を分けることもしていません。では、いったい、どのような並べ方をしているのでしょうか？　会場の展示を見ると、何枚かの作品がグループになっていることに気がつかれるでしょう。

　2010年のANBDのテーマは「ビヨンド」。…の向こうに、…を越えて、という意味があります。世界の人々は、異なった宗教や思想や言語をもって、それぞれの文化を築いていますが、アートやデザインは文化の壁を軽々と乗り越えて自由な対話を可能にしてくれることを、皆さんはご存知のはずです。

　今年の横浜展では、「ビヨンド」というテーマを有効に生かそうと考えて、展示にも関連イベントにも工夫をしました。展示を見て作品に興味をもったり、同じグループの作品に共通点を見いだしたり、何かを感じていただけるだけで、すでにコミュニケーションが交わされているのではないでしょうか。一人ひとり、それぞれの感覚で、横浜展の展示を楽しんでいただきたいと思います。