コンピュータ操作における無意識に関連する研究
当たり判定を用いた無意識抽出Webアンケートの開発
目的
前節では「回答時間」という非言語情報抽出に着目したが、「回答時間」という要素に、ある一つの回答者の心的要素のみが影響するであろうアンケート手法の確立を目的とする。また、新たな概念として「マウストラッキング」手法の導入を行い、マウスの移動軌跡と回答時間を組み合わせたログ解析によるインターネットアンケート手法の構築を行う。
方法
あるコンテンツの評価を目的とした、視覚刺激の評価に関するアンケートページをテーマに、当り判定によるマウスの移動軌跡/時間が可能なサイトを構築し、メール等により被験者を募り回答してもらった。
技術的な要素に関する結論
CGIを介し取得したアンケート結果データから、被験者の各アイコンに対するマウスの軌跡・ドラック操作を可視化するビューアをもちい被験者のマウス操作を再現できたことを理由に、手法の確立に成功したと結論づける。また、その操作再現から被験者の解答に対する信頼性の確認ができたことから、本手法がインターネットを用いたアンケート手法として有効であると評価した。
アンケート手法的な要素に関する結論
「あたり判定」に「ドラック判定」よりも有意な指標が多く含まれた事実と、「快不 - 快(ポジティブ - ネガティブ)」の軸を、「時間の合計」によって説明すること可能なのではないかと考えられたことから、ICONにマウスが当たっていた時間には被験者のポジティブな印象が表出する可能性がある、と結論づけた。