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第8回 実験計画

実験計画の策定

1. 実験計画
 ・被験者の選定・手配
 ・タスク設定

2. プロトタイプ制作
 ・操作設計仕様書
 ・シミュレーションモデル
 ・試作品

3. 実験実施【ユーザビリティ評価室】
 ・実験進行
 ・観察記録

4. データ分析・改善指針提案

定性データ
(発話)プロトコル解析、戸惑い、怒り【★】
(観察)操作履歴分析
定量データ
 1. 主観評価(SD法、リッカート法)【★】
 2. パフォーマンステスト
  ・速さ(所要時間)
  ・誤り率(タッチ倍率)(正解のタッチ数を1として、倍率を求める)

 → 印象評価の基本手法、SD法とリッカート法(png)
 → (参考)実験前に被験者に提示する、実験の概要説明、および、操作方法(PDF)

プロトタイプをもちいた評価のザックリとした考え方

実験計画の手順

【1】コンセプトを明確にする
  → 自分の仮説(ひらめき)は? 提案で最も重要な部分は?

【2】評価基準を明確にする
  → 自分の仮説はどういった評価基準により評価されるのか?

【3】評価基準を測る方法を検討する
  → 評価用語は? 何をもって測るのか?

→実験計画の事例:評価基準と状態遷移図の関係(PDF)

失敗事例からみる評価基準の創出事例

「あまり考えずに作ったモノをみてもらってコメントもらってきました!」

上記のような調査をしてしまって、困ることがありますが、一般ユーザからのコメントには、製品デザインに対する評価基準が多く含まれます。(デザインの入り口時点で、試作品を提示し、ターゲットユーザからコメントを貰うのは、効果的と考えられます。)右記のPDFファイルで、自由記述的なコメントをどのように解釈するかの事例を紹介します。

 本事例は、「場当たり的に評価基準を創出し、検証したかのように見せる」悪い事例です。


評価基準を設定した上での、アンケート用紙の設計事例

 「実験計画の手順」で示したように、
   【1】コンセプトを明確にする
   【2】評価基準を明確にする
   【3】評価基準を測る方法を検討する
のプロセスで実験を計画します。右記のPDFファイルにてサンプルを提示します。

アンケート用紙に入れるべき要素として、以下の項目は入れておいた方が良いです。   【1】回答する被験者の属性を問う項目
       ・ターゲットユーザの絞り込み
       ・はずれ値(ターゲットユーザで無いと思われる回答者)の排除
   【2】提案する製品の印象を問う項目
       ・コンセプトの達成状況の確認
   【3】製品の印象につながる具体的な要素に関する項目
       ・コンセプトで達成できていない要素の改善の為に活用


アンケート用紙からみる実験のプロセス

評価内容に関して:
 評価実験において、造形面(造形が的確なアフォード(動作の誘発)をしているか)と、心理面(運動を継続的に行なわせるような「継続したい」心理状態に導けたかどうか)の2面を評価したい、とのポイントで設計したアンケート用紙のサンプル。

 ここでは、「最終的な評価」の段階を想定しており、前述の
   【1】回答する被験者の属性を問う項目
   【2】提案する製品の印象を問う項目
のみとなっており
   【3】製品の印象につながる具体的な要素に関する項目
を割愛しています。



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制作物の目安

 【Cレベル】ページめくりが可能な、緻密なパラパラアニメーション
 【Bレベル】上記+インタフェース操作部分でのインタラクション表現(操作音や光)
 【Aレベル】上記+ツールを扱う状況での、人間の部位表現
 【Sレベル】上記+変数を用いた、操作の進展におけるインタラクションの変化 
       (変数に関しては、次週説明予定)

上記を意識し、できるだけ高いレベルのシミュレータを目指してください。

この授業のみ受講している学生さん向け:来週のレゼンテーションの仕様に関して

 【アンケート用紙】を1枚のPDFファイルで提出してください。
(アンケート用紙を作るプロセスを通して、どういった実験刺激を作成すべきかを考えてみてください)