遠隔コミュニケーションに関連する研究
16言語が持つ意味の広さの調査
目的
「個々の言語(感情・状況)に対しての、最適な補完方法の検証」を1つ目の目的とする。これは、「ダイナミックアイコン」と「表情」の2つの要素の、どちらがどのような表現に適しているか、また、どちらを用いても表現できない言語とはどのようなものか、の2点に関する傾向を探ることである。2つ目の目的は、「個々の言語 ( 感情・状況 ) の持つ、意味の広がりの調査」である。本研究の考察においても、また、これからのデザイン評価においても問題となる言語の意味の広がり(個人の持つ個々の言語に対する印象)具合を定義する為の指標を探ることである。
方法
Webを利用し被験者にメールで回答を依頼。
結論
本研究の第1の目的に関しては、"退屈"、"怒り"、"多忙"、は、"Dyna"において表現の共通性が高かった上位3言語、"愉快"、"不調"、"平穏"、は"Face"において表現の共通性が高かった上位3言語であり、この6言語は、"Dyna"と"Face"の2つのツールを用いた場合には、最適な補完方法である。
第2の目的については、上記の6言語、"退屈"、"怒り"、"多忙"、"愉快"、"不調"、"平穏"、に関してはいづれかのツールを用いれば共通の表現が行なわれる事が確認された為、意味の広がりは狭い言語であると言える。逆に、"謝罪"、"緊張"、"嫌悪"、"恐怖"、"感謝"、の5言語は、どちらのツールにおいても表現の共通性が確認できなかったものであり、他の要素を用いたツールを使用すれば、共通の表現が行なわれる可能性はあるが、現状では、意味の広がりが広い言語であると言える。